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2011年09月01日

ぼくのじしんえにっき

ぼくのじしんえにっき
「ぼくのじしんえにっき」 八起正道・作 伊藤寛・絵 岩崎書店 1989年 

古本屋さんで買った本だったと思います。
イルカが小学校にあがる前に読んで聞かせました。
地震の怖ろしさ、人のおろしさがリアルで
読み手の私も考えさせられる思いだったことを記憶しています。

ただ、繰り返して読める本ではなかったため、
10年以上お蔵入りになっていました。

東日本大震災のあと、もう一度手にとって今度はカエルに読み聞かせしました。

塾にいる時大きな地震が来て、けがをしたり犠牲になる子も出る中やっと外に出てママに会えます。
東京は「壊滅状態」でパパも帰ってきません。
電話も通じないし、水や食べ物もなく困ります。
給水車が来ても水は足りずけんかになり、スーパーでは暴動が起こります。
パパは帰ってきたけど、狂犬病や伝染病が流行って、
飼っていた犬も友達のトシコちゃんもそして家族の一人が亡くなってしまいます。

この本の中で、人間はけんかしたり、弱い者いじめしたり
ウソをついたり、人のものを盗ったりして、それがいちばん恐いと感じます。
(原発周辺で避難して人がいなくなった地域には悪質な泥棒が入りました)


3月11日東北の宮城県太平洋沿岸を中心に大きな地震が起きて津波の影響で被害はこの本以上のものとなりました。

でも、津波で町がまるごと消えてしまったような惨状とともに
もうひとつこの本にはない光景を私たちはテレビの画面で見たのです。

避難所で人々はけんかではなく支え合っていました。
わずかな食べ物を分かち合いながら耐え、暴動や略奪は起こらなかった。
そのこと私は驚きと感動のような気持ちになりましたが、
海外でも東北の人のこのような姿は高く評価されました。

私たちは、東北の人に(それも被災された人たちに)
人はこうあることができる、と教えられました。

解りあったり、やさしく思いやったり、仲直りしたり、助け合うこともできるのかな?
きっとできるんだ。
と東日本大震災とセットで読みたい一冊です。

おばあちゃんの知恵とキャラクターが光っています。
・お風呂はきれいに洗ってお水を貯めておく
・缶詰を買い置きしておく
・肉は干して保存できる
そして
・「情けは人の為ならず」
・「あいべつりく」(愛別離苦)
いっしょに暮らしていたものが別れ別れになることはとても悲しいことだ。
だからこそ、いっしょにいられる時だけでも相手を大切にすること。
。。。。おばあちゃんが言ってた。


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Posted by まあやん at 16:26│Comments(0)日本の絵本
 
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